一言でいうと
プロパンジオールは、水分を引き寄せて肌のうるおいを保つ保湿成分です。
期待できる効果
- 肌の水分を保つ
- 乾燥を防ぐ
プロパンジオールには、水分を引き寄せて保持する性質があります。
健康な女性30人を対象としたヒト試験では、5%・10%・15%の1,3-プロパンジオールを使用しました。
その結果、すべての濃度で塗布後15分、2時間、8時間に肌の水分量が増加しました¹。
また、水分蒸散量(TEWL)の低下も確認されています¹。
成分について
プロパンジオールは、1,3-プロパンジオールとも呼ばれる多価アルコールの一種です。
化粧品では、保湿目的のほか、ほかの成分を溶かす溶剤などとして利用されています。
グリセリンやBGなど、ほかの保湿成分と組み合わせて配合されることもあります。
なお、プロパンジオールには複数の製造方法があります。
植物由来の原料を発酵して作られるものもありますが、プロパンジオールという成分自体が必ず植物由来という意味ではありません。
プロパンジオールとプロピレングリコールは何が違うの?
名前は似ていますが、別の成分です。
プロパンジオールは「1,3-プロパンジオール」、プロピレングリコール(PG)は「1,2-プロパンジオール」です。
どちらも炭素を3つ、ヒドロキシ基を2つ持ち、分子式も同じです。
ただし、ヒドロキシ基が結合している位置が異なります。
- プロパンジオール:1番目と3番目
- プロピレングリコール:1番目と2番目
つまり、同じ分子式を持つ「異性体」ですが、同じ成分ではありません。
2023年の研究でも両者は別々に比較され、抗菌作用にも違いが確認されています²。
そのため、「プロパンジオール=プロピレングリコール(PG)」と考えるのは誤りです。
プロパンジオールは肌荒れや刺激の原因になる?
CIR(Cosmetic Ingredient Review)では、プロパンジオールを含むアルカンジオール類の安全性が評価されています。
その結果、プロパンジオールは化粧品で想定される使用方法や濃度の範囲において安全と結論づけられています³。
ヒトを対象とした試験では、原液のプロパンジオールを1回塗布した試験で刺激は確認されませんでした。
また、5〜75%で行われた皮膚感作試験でも、感作性は確認されていません³。
一方、207人を対象とした別の試験では、75%を繰り返し使用した初期に4人で軽い赤みが確認されています。
最終的には感作性なしと判断されています³。
つまり、プロパンジオールが一般的に肌荒れを起こす成分とは言えません。
ただし、すべての化粧品で、すべての人に刺激が起こらないことを保証するものではありません。
使用後に赤みやかゆみなどが出た場合は、使用を中止してください。
まとめ
- プロパンジオールは、肌の水分を保つ保湿成分。
- 1,3-プロパンジオールとも呼ばれる。
- プロピレングリコール(PG)とは構造が異なる別の成分。
- ヒト試験では、肌の水分量の増加と水分蒸散量の低下が確認されている。
- CIRでは、化粧品で想定される使用方法・濃度の範囲で安全と評価されている。
関連成分
- グリセリンとは?効果・ニキビとの関係・グリセリンフリーが注目される理由を3分で解説
- BGとは?化粧品での効果・危険性やアレルギーについて3分で解説
- ペンチレングリコールとは?効果・防腐剤としての役割・刺激について3分で解説
参考文献
1. Pinto JR, Monteiro E Silva SA, Leonardi GR.(2024)
Effects of 1,3-propanediol associated, or not, with butylene glycol and/or glycerol on skin hydration and skin barrier function.
International Journal of Cosmetic Science
PubMedで確認する
2. Iwasaki T, Uchiyama R, Nosaka K.(2023)
Difference in Anti-microbial Activity of Propan-1,3-diol and Propylene Glycol.
Chemical & Pharmaceutical Bulletin
PubMedで確認する
3. Scott LN, et al.(2024)
Safety Assessment of Alkane Diols as Used in Cosmetics.
International Journal of Toxicology
PubMedで確認する
