レチノールとは?効果・A反応・ビタミンCとの併用について3分で解説

一言でいうと

レチノールは、シワなどの肌老化への作用が研究されているビタミンAの一種です。

期待できる効果

  • シワへの作用が報告されている
  • 色素沈着への作用が報告されている
  • 肌の弾力への作用が報告されている

0.1%レチノールを8週間使用したヒト試験では、シワや色素沈着、弾力などの改善が確認されています¹。
また、日本人女性を対象とした試験では、0.075%レチノールを26週間使用し、細かいシワと深いシワの改善が報告されています²。

成分について

レチノールは、ビタミンAの一種です。
化粧品では、主にエイジングケアを目的とした美容液やクリームなどに配合されています。
レチノールは皮膚内で代謝され、最終的にレチノイン酸へ変換されます。
レチノイン酸と比べると作用は穏やかで、皮膚への刺激も少ないとされています。

「シワへの作用」と「シワ改善」は同じ?

レチノールには、シワへの作用を調べたヒト試験があります¹²。
一方、研究でシワへの作用が報告されていることと、製品が「シワ改善」を効能として表示できることは別です。

日本で製品が「シワ改善」を効能効果として表示・広告するには、その効能効果について医薬部外品として承認を受ける必要があります。
2017年には資生堂が、純粋レチノールを有効成分とした医薬部外品について「しわを改善する」効能効果の承認を取得しています⁸。
そのため、レチノールが配合されているだけで、すべての化粧品が「シワ改善」をうたえるわけではありません。

一般の化粧品で認められている効能表現の一つに、「乾燥による小ジワを目立たなくする」があります⁹。
ただし、この表現も各製品について所定の試験を行い、効果を確認した場合に限られます。
つまり、研究でレチノールのシワへの作用が報告されていることと、製品が「シワ改善」を表示できることは別の話です。

レチノールの「A反応」とは?

「A反応」とは、レチノールを使ったときに起こる赤みや乾燥、ヒリつき、皮むけなどの反応を指す俗称です。
レチノールなどのレチノイドでは、こうした皮膚刺激が起こることがあります³。

ただし、A反応が強いほど効果が高いわけではありません。
反対に、A反応が出なかったからといって、レチノールが効いていないとも判断できません。
強い赤みや痛みなどが続く場合は使用を中止し、症状が改善しない場合は皮膚科を受診してください。

レチノールとビタミンCは一緒に使える?

レチノールとビタミンCを一緒に使ってはいけないという根拠は確認できません。
実際に、レチノールとビタミンCの両方を含む製剤を使用したヒト試験があります⁴。
この研究では、両成分を含む製剤を継続して使用し、加齢や紫外線による皮膚の変化への作用が調べられています。

ただし、この研究はレチノールとビタミンCを別々に塗り、併用の可否を直接比較した試験ではありません。
製品によって濃度や処方が異なるため、使用する順番やタイミングは各製品に記載された使用方法に従ってください。

妊娠中にレチノールを使ってはいけないの?

妊娠中は、レチノールを含むレチノイド製品の使用を避けるのが基本です。
ACOG(米国産科婦人科学会)は、外用レチノイドは体内への吸収量が少ないものの、妊娠中は使用を避けることを推奨しています⁵。

妊娠初期に外用レチノイドへ曝露した654人を含むメタ解析では、先天異常などが明確に増えることは確認されませんでした⁶。
一方で、この研究だけでは妊娠中の使用を安全と判断するにはデータが不十分とされています⁶。
妊娠中に誤って使用した場合は自己判断せず、医師に相談してください。

レチノールは危険な成分?

レチノールは化粧品にも使用されている成分ですが、赤みや乾燥、皮むけなどの刺激が起こることがあります。
日本人女性を対象とした試験でも、0.075%レチノールを使用した57人のうち3人が、刺激によって試験を中止しています²。

CIR(Cosmetic Ingredient Review)による安全性評価では、レチノールとパルミチン酸レチノールについて、化粧品への使用条件を踏まえた安全性が評価されています⁷。
そのため、レチノールは「危険だから絶対に避けるべき成分」というより、刺激が起こる可能性を理解したうえで使う成分です。

まとめ

  • レチノールは、ビタミンAの一種。
  • シワや色素沈着、弾力への作用がヒト試験で報告されている。
  • 研究でシワへの作用が確認されることと、製品が「シワ改善」を表示できることは別問題。
  • A反応が強いほど効果が高いわけではなく、妊娠中は使用を避けるのが基本。

関連成分

参考文献

1. Tucker-Samaras S, et al.(2009)
A stabilized 0.1% retinol facial moisturizer improves the appearance of photodamaged skin in an eight-week, double-blind, vehicle-controlled study.
Journal of Drugs in Dermatology
PubMedで確認する

2. Kikuchi K, et al.(2009)
Improvement of photoaged facial skin in middle-aged Japanese females by topical retinol (vitamin A alcohol): a vehicle-controlled, double-blind study.
Journal of Dermatological Treatment
PubMedで確認する

3. Narsa AC, et al.(2024)
A Comprehensive Review of the Strategies to Reduce Retinoid-Induced Skin Irritation in Topical Formulation.
Dermatology Research and Practice
PubMedで確認する

4. Seité S, et al.(2005)
Histological evaluation of a topically applied retinol-vitamin C combination.
Skin Pharmacology and Physiology
PubMedで確認する

5. American College of Obstetricians and Gynecologists
Skin Conditions During Pregnancy.
American College of Obstetricians and Gynecologists
原典を確認する

6. Kaplan YC, et al.(2015)
Pregnancy outcomes following first-trimester exposure to topical retinoids: a systematic review and meta-analysis.
British Journal of Dermatology
PubMedで確認する

7. Johnson W Jr.(2017)
Retinol and Retinyl Palmitate.
International Journal of Toxicology
PubMedで確認する

8. 株式会社資生堂(2017)
有効成分純粋レチノールによるしわを改善する効能効果の承認を日本で初めて取得
株式会社資生堂
原典を確認する

9. 厚生労働省(2011)
化粧品の効能の範囲の改正について
厚生労働省
原典を確認する