一言でいうと
レチノールは、シワなどの肌老化に働きかけるビタミンAの一種です。
期待できる効果
- シワを目立ちにくくする
- 色素沈着を目立ちにくくする
- 肌のハリ・弾力を保つ
0.1%レチノールを8週間使用したヒト試験では、シワや色素沈着、弾力などの改善が確認されています¹。
また、日本人女性を対象とした試験では、0.075%レチノールを26週間使用し、細かいシワと深いシワの改善が報告されています²。
成分について
レチノールは、ビタミンAの一種です。
化粧品では、主にエイジングケアを目的とした美容液やクリームなどに配合されています。
レチノールは皮膚内で代謝され、最終的にレチノイン酸へ変換されます。
レチノイン酸と比べると作用は穏やかで、皮膚への刺激も少ないとされています。
レチノールの「A反応」とは?
「A反応」と呼ばれるのは、レチノールを使ったときに起こる赤みや乾燥、ヒリつき、皮むけなどの反応です。
レチノールなどのレチノイドでは、赤みや乾燥、皮むけなどの皮膚刺激が起こることがあります³。
ただし、A反応が強いほど効果が高いわけではありません。
反対に、A反応が出なかったからといって、レチノールが効いていないとも判断できません。
強い赤みや痛みなどが続く場合は使用を中止し、症状が改善しない場合は皮膚科を受診します。
レチノールとビタミンCは一緒に使える?
レチノールとビタミンCを一緒に使ってはいけないという根拠は確認できません。
実際に、レチノールとビタミンCの両方を含む製剤を使用したヒト試験があります⁴。
この研究では、レチノールとビタミンCを含む製剤を継続して使用し、加齢や紫外線による皮膚の変化への作用が調べられています。
ただし、この研究はレチノールとビタミンCを別々に塗り、併用の可否を比較した試験ではありません。
製品によって濃度や処方が異なるため、使用する順番やタイミングは各製品に記載された使用方法に従います。
妊娠中にレチノールを使ってはいけないの?
妊娠中は、レチノールを含むレチノイド製品の使用を避けるのが基本です。
ACOG(米国産科婦人科学会)は、外用レチノイドは体内への吸収量が少ないものの、妊娠中は使用を避けることを推奨しています⁵。
妊娠初期に外用レチノイドへ曝露した654人を含むメタ解析では、先天異常などが明確に増えることは確認されませんでした⁶。
一方で、この研究だけでは妊娠中の使用を安全と判断するにはデータが不十分とされています⁶。
妊娠中に誤って使用した場合は、自己判断せず医師に相談してください。
レチノールは危険な成分?
レチノールは化粧品にも使用されている成分ですが、赤みや乾燥、皮むけなどの刺激が起こることがあります。
日本人女性を対象とした試験でも、0.075%レチノールを使用した57人のうち3人が、刺激によって試験を中止しています²。
CIRによる安全性評価では、レチノールとパルミチン酸レチノールについて、化粧品への使用条件を踏まえた安全性が評価されています⁷。
そのため、レチノールは「危険だから避ける成分」というより、刺激が起こる可能性を理解したうえで使う成分です。
まとめ
レチノールは、ビタミンAの一種です。
シワや色素沈着などへの作用がヒト試験で報告されています。
使用時には赤みや乾燥などのA反応が起こることがありますが、反応の強さと効果の高さは同じではありません。
ビタミンCと一緒に使ってはいけないという根拠は確認されていませんが、妊娠中は使用を避けるのが基本です。
関連成分
参考文献
1. Tucker-Samaras S, et al.(2009)
A stabilized 0.1% retinol facial moisturizer improves the appearance of photodamaged skin in an eight-week, double-blind, vehicle-controlled study.
Journal of Drugs in Dermatology.
PubMedで確認する
2. Kikuchi K, et al.(2009)
Improvement of photoaged facial skin in middle-aged Japanese females by topical retinol (vitamin A alcohol): a vehicle-controlled, double-blind study.
Journal of Dermatological Treatment.
PubMedで確認する
3. Narsa AC, et al.(2024)
A Comprehensive Review of the Strategies to Reduce Retinoid-Induced Skin Irritation in Topical Formulation.
Dermatology Research and Practice.
PubMedで確認する
4. Seité S, et al.(2005)
Histological evaluation of a topically applied retinol-vitamin C combination.
Skin Pharmacology and Physiology.
PubMedで確認する
5. American College of Obstetricians and Gynecologists
Skin Conditions During Pregnancy.
American College of Obstetricians and Gynecologists.
原典を確認する
6. Kaplan YC, et al.(2015)
Pregnancy outcomes following first-trimester exposure to topical retinoids: a systematic review and meta-analysis.
British Journal of Dermatology.
PubMedで確認する
7. Johnson W Jr.(2017)
Retinol and Retinyl Palmitate.
International Journal of Toxicology.
PubMedで確認する
